2018年12月31日月曜日

来年度(1年目の収支計画)

1.年間収支計画の必要性
特に初年度に関しては、火災保険料や不動産取得税の支払い等、スポットのキャッシュアウトが多いため、(余剰資金を運用しすぎて)資金ショートしないため、いつ、どのくらいのキャッシュが必要なのかを把握しておくことは重要であると考えます。
普通に家賃収入を何もせずにプールしておけばいい話ではありますが・・・


2.年間収支計画の作成
シンプルですがこんなかんじです。

 
・収入
まだ1部屋空きがありますが、フル稼働を前提にしています。
さすがに1年目から空室は出ないだろうと。
ちなみに1月分の賃料収入が多いのは、12月4日(入居開始日)~12月31日分の家賃が1月分と合算して支払われるためです。
税金は今年(0年目)に発生した初年度経費があるので、損益通算による所得税の還付額を見込んでいます。

・支出
年明けに火災保険料(10年分)、3月には土地分の不動産取得税、6月には建物分の不動産取得税の支払いを見込んでいます。

・ネットキャッシュフロー
年間で96万円程度のキャッシュフローを目指します。
厳密には住民税の減額分も含めると100万円以上の着地も可能だと思います。
1年目なのでこのくらいは稼いでおかないと、後々厳しいですね。

2018年12月27日木曜日

SAMURAIに50万円を投資する

SAF不動産ローンファンド11号への投資

・債務者の概況
債務者は大阪府にて不動産販売業を営む法人。
販売用不動産の仕入資金として24,000千円のプロジェクト融資を実行。
平成30年10月に新規設立された法人であるため決算の実績はなく、決算書の徴求はできていない。
設立間もない法人なので、担保評価に重点を置くしかなさそうです。
損益、キャッシュフロー、債務超過の有無あたりを知りたいところですが、しかたありません。


・担保評価額
大阪市中央区瓦屋町のRC造陸屋根塔屋1階付3階建て物件
34,463,220円(LTV69%)

(土地)
・所在地(住居表示) 大阪市中央区瓦屋町
・土地面積 47.47㎡
瓦谷町の平均公示地価は55.4万円/㎡
55.4万円×47.47㎡=26,298,380円
路線価は物件の所在地が明確でないため分かりませんが、瓦屋町は30万~60万程度のようです。
30万円×47.7㎡÷0.8=17,887,500円

(建物)
・建物延面積 145.97㎡
・容積率 600%
・建物構造 RC造
・用途地域 商業地域
・店舗・事務所・居宅として使用可能な物件です。
・現在、1階は、飲食店として賃貸しており家賃収入を得ています。2・3階はR社が自己使用を行うもしくは、貸出を検証中です。
・大阪市の中心地である中央区に所在しており、大阪で人気の「みなみエリア」の中心地まで徒歩10分程となります。
・幹線道路に接道しており、将来の土地活用の汎用性があります。(ビル・住居・店舗等)
建物は経過年数も分からないので評価額をいくらと見るべきか判断が難しいです。
ただし、ゼロと見た場合でも土地だけでもそこそこ評価額がありそうなので、比較的安全なのではないかと考えます。

2018年12月1日土曜日

TATERU Apartment 完成!

1.ついにアパートが完成
土地の売買契約が4月27日だったので、やく7ヶ月かけて物件が完成しました。
場所は都内の中央線のターミナル駅から徒歩12分の立地です。
今日は物件のオーナーチェックに行ってきましたので、写真も交えながら簡単に感想を。


2.オーナーチェック
すべての部屋を周り、物件に瑕疵がないかどうかを確認し、気になるところがあれば施工責任者に指摘をして修繕してもらいます。
僕のアパートは6部屋しかないのですが、2時間近くかかりました。

全体的には綺麗に出来上がっていました!

 

 


正面です。なかなかオシャレな外観です。

 

斜めからの写真。
 
殺風景なお部屋。思ってたより広いです。
 
キッチン。単身用には十分すぎるスペースです!

トイレ。写真では分かりにくいですが、壁紙は正面が色、側面が白色という組み合わせです。

いたって普通の洗面台。
 
追い炊きに浴室乾燥もついたお風呂。

こんな感じで綺麗に仕上がってました。
ただ、壁紙がヨレヨレになっていたり、小さい穴が開いていたりしているところがありました。
一番ひどかったのはお風呂とトイレの鍵。
鍵を開いているときは青、閉まっているところは赤になるアレありますよね?
あれが開いていても閉まっていても赤のままになっていました・・・
それだけでなく、鍵がサカサマに取り付けられていました・・・
その他、細かい点がいくつかありました。
これから建てられる方は、オーナーチェックは入念に行うべきです。
(オーナーチェック前に普通内部でチェックしそうなものですが・・・)

TATERU-KITもなかなか先進的なシステムでした。
タブレットやスマホひとつで電気、エアコン、鍵の開閉、さらには冷蔵庫まで遠隔操作できてしまいます(知ってたけど)。
その他、TV付インターフォンは留守中の訪問者を録画してくれる機能まで備わっていてびっくりです。
もしかすると留守中にとんでもない美人が訪問してくるかもしれないので、この機能は重宝しますね。


3.入居状況と今後
12月4日から入居開始となりますが、現在の入居率は3/6(50%)です。
内覧可能になったのが11月24日なので、これから順調に決まると良いのですが。
むしろ閑散期の今、内覧することもなく3部屋決まったことは順調な駆け出しと判断して良いのでしょうか?
もし繁忙期の2~3月になっても決まらない状況だと行き先不安になりますが、今はTATERUの空室保証もありますので、しばらく様子見するしかありません。

以前にも書きましたが、僕の見積りキャッシュフローだと、ローン完済時には8百万円程度のマイナスです(笑)
とはいえ最後は土地が残るわけなので、売却でどの程度回収できるかがポイントですね。
今は金融機関の融資が厳しい状況になりつつありますが、10年も経てばまた状況は変わると思います。
途中で残債をペイできるような価額で売却できるようであれば、それもアリだと考えています。
とりあえず、完成を祝して飲みに行ってきます!

2018年11月23日金曜日

【悲報】ガイアファンディング全案件期失 被弾

●ガイアファンディングの全案件で期限の利益喪失!
3連休を目前に控えた昨日の夜10時過ぎ、マネオマーケットから衝撃のメールが届きました。
なんとガイアファンディングが運用中の全ファンドの返済及び利息の支払いがなく、期限の利益を喪失しましたと。
バッドニュースはいつも連休前の営業終了後と決まっています。


●衝撃のメール内容

以下引用です

-------
投資家の皆様へ

平素は、ガイアファンディングをご愛顧いただき誠にありがとうございます。

このたび、2018年11月19日に元利金の未回収が発生いたしました。
また、全ファンドに於いて利息の支払いが無く期限の利益を喪失いたしました。
投資家の皆様には、ご心配とご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。

1.利息の支払いが遅延したファンドについて
〇ファンドの概要
対象ファンド数:138ファンド(ファンドID369~372を含む)
        利息:35,102,393円(ファンドID369~372の利息分を含む)
※3周年記念ローンファンド11号~13号(ファンドID531~533)をのぞく全案件

利息の遅延を認識して以降、maneoマーケット社は、ガイアファンディング社に対して、
借り手からの返済状況を含む資金の到達状況、遅延の原因、延滞解消の見込みに関する質問への回答を要請するなどにより情報収集を試みております。
しかしながら、ガイアファンディング社のファンドスキームについては、
現地の最終貸付先(計14社)への貸付けまでに3社(※)の法人を経由しており、今般の利息の支払いの遅延が最終貸付先からの返済の遅延なのか、
または、3社のいずれかの法人に資金が滞留しているのかについて、継続して確認をしている状況です。
引き続きmaneoマーケット社は、上記についての確認と共に、個別ファンドごとの状況についても、
具体的な償還及び分配の計画等に関する情報収集に努めて参ります。
※3社の法人とは、ガイアファンディング社の海外の子会社、海外関連会社、米国関連会社を指します。
この米国関連会社を通じて現地の最終貸付先への貸付が行われます。


2.元金の返済及び利息の支払いが遅延したファンドについて
(1)ファンドの概要(2ファンド)
a.サンフランハウスコレクションファンド1号(ファンドID369)
ファンドID 369
ファンド名  サンフランハウスコレクションファンド1号
案件名   【事業者A社向け】サンフランシスコ 米国不動産事業資金ローンへの投資
      【事業者C社向け】 米国事業性資金支援ローンへの投資
貸付実行日  2018年2月5日
融資金額   36,200,000円
最終返済日  2018年11月19日
URL    https://www.gaiafunding.jp/apl/fund/detail?fund_id=369 
残高     36,200,000円

11月19日を最終返済日とする上記のファンドIDの元金及び利息の支払いがございませんでした。
従いまして、11月29日の分配日に投資家の皆様への分配は行われません。
本案件は現地不動産事業者が、5つの戸建て住宅を仕入れ、許可申請を取得した後、工事、販売までを一貫して行うプロジェクトであり、
販売期間の延長に伴う借り換え資金として募集をさせて頂きました。当初のファンド運用期間内での事業の遂行が実現せず、
結果として期日どおりの返済が行われませんでした。
現在、maneoマーケット社は、ガイアファンディング社への質問、資料開示要請などにより、
現状の販売活動や回収活動の状況など、案件の現状に係る詳細情報の収集に努めている状況でございます。


b.「サンフランファミリーホームファンド1号~3号」(ファンドID370~372)
ファンドID  370~372
ファンド名   サンフランファミリーホームファンド1号~3号
案件名    【事業者B社向け】シリコンバレー 米国不動産事業資金ローンへの投資(第1次募集~第3次募集)
       【事業者C社向け】 米国事業性資金支援ローンへの投資(第1次募集~第3次募集)
貸付実行日  2018年2月5日
融資金額   59,100,000円
最終返済日  2018年11月19日
URL    https://www.gaiafunding.jp/apl/fund/detail?fund_id=370  他
残高     59,100,000円

11月19日を最終返済日とする上記のファンドIDの元金及び利息の支払いがございませんでした。
従いまして、11月29日の分配日に投資家の皆様への分配は行われません。
上記ファンドは、事業者B社から先の最終貸付先(以下、現地不動産事業者)の事業に対する融資案件となります。
本案件は現地不動産事業者が、戸建て住宅を仕入れ、工事申請許可を取得した後、
リノベーション工事、販売までを一貫して行うプロジェクトであり、販売期間の延長に伴う借り換え資金として募集をさせて頂きました。
当初のファンド運用期間内での事業の遂行が実現せず、結果として期日どおりの返済が行われませんでした。
現在、maneoマーケット社は、ガイアファンディング社への質問、資料開示要請などにより、
現状の販売活動や回収活動の状況など、案件の現状に係る詳細情報の収集に努めている状況でございます。


3.今後の状況報告について
現在、maneoマーケット社は、ガイアファンディング社に対して、上記1および2のとおり、
販売活動や回収活動の進捗状況など、案件の現状について、引き続き回答および資料開示を要請するなどして詳細情報の収集に努めております。
投資家の皆様にお伝えできる確たる情報が得られた場合には、速やかに該当投資家の皆様にメールにてご報告いたします。
また、定期的に投資家の皆様にメールでのご報告をいたします。


4.その他
該当投資家の皆様の「MyPage」内の「運用予定表」には2018年11月26日以降は「期失」と表示されます。
「返済実績一覧」ページの「ローンファンド運用状況」の該当ページも、2018年11月26日以降は「期失」と表示されます。


投資家の皆様には、ご心配とご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。
今後、適時に状況をご報告いたします。

2018年11月22日
ガイアファンディング株式会社(営業者)
maneoマーケット株式会社(第二種金融商品取引業者)
-----

引用おわり


●不可解な点
・なぜ貸出先が分散されているにもかかわらず一斉に遅延となったのか
上記メールにあるとおり、最終貸付先の数は14社。
これらが同一のタイミングで資金ショートするとは考えにくいです。
したがって、最終貸付先までの間に入っている関係会社に何らかの事態が生じたと考えるのが自然です。
会社自体が吹き飛んだのか、資金を持ち逃げしたのか分かりませんが・・・
もしかすると運用実態がなく完全な詐欺であった可能性も少なからずあると思います
いずれにしても全損を覚悟しておいた方がよさそうです

・なぜ真鍋代取、倉石取締役が辞任したのか
まったく気が付いていなかったのですが、HPの代表者挨拶からケルビン氏以外の取締役が消えていました。
いずれこのような事態になることを知って、どこかのタイミングで辞めたのでしょうか。
辞めたから済むという問題ではありませんが・・・

・なぜ遅延が生じた原因を特定できないのか
簡単に報告できないような事態が生じているのではと邪推をしてしまいます。

・なぜ未だに3周年記念ローンファンドを募集しているのか
このような異常事態にもかかわらず、のうのうと既存ファンドの募集を行っているガイアファンディング及びマネオマーケットの誠実性のなさには驚きました。
金融庁の行政処分が下されるギリギリまで詐欺ファンドの募集を行っていたみんクレを彷彿させますね。


●所感
自分はガイアファンディングには70万円投資していました。
うん百万入れている投資家に比べれば大したことはありませんが、決して少なくない投資額です。
かなり痛いです。
今回の件を受けて、maneo及びそのファミリー(LC除く)からは完全撤退します。
得体の知れない運営母体に投資することの危険性を身をもって知りました。
公認会計士監査はもちろん、外部からの牽制がまったくないというのは非常にリスクが高いです。
金融庁はあてにならないですし。
だいたい上場もしていない従業員数名程度の零細企業が、何十億円もの金融商品を扱うこと自体がおかしいです。
どうせ内部統制もまったく整備されていないでしょうし、万に一つの確率で整備されていたとしてもワンマン社長の一声で無効化です。
運営母体は本体もしくは親会社が上場している、または上場会社が株主になっていることが最低ラインだと改めて認識しました。
もちろんmaneo一家(LC除く)はすべからく基準から外れます。
とりあえず、続報を待つしかないですね・・・

2018年11月4日日曜日

TATERU もうすぐ竣工です

1.近づく竣工日
早いもので、はじめてTATERUに不動産投資の話を聞きにいってから約9か月経ちました。
竣工日はもう今月の27日に迫っています。
思えばこれまでの間、かぼちゃの馬車事件やスルガ銀行の不正融資、TATERUのエビデンス改竄等、不動産業界の話題は尽きませんでしたね。
ここ最近は金融庁の指導もあり、金融機関の審査が厳しくなり、これまでのように融資を引き出せなくなっているようです。
出口が見えなくなってきた・・・

2.投資判断の振り返り
本当に投資してしまって良かったのか??
僕は正直、今回の投資はあまり良い決断ではなかったと思っています。
営業担当から事前に収支の長期シミュレーションを提示されましたが、重要な要素が結構抜けてるんですよね。
それはズバリ
①初期費用
②税金
③大規模修繕
これらの要素を加味、家賃下落によりストレスをかけるなどして僕が作り直したところ、やはりほとんどキャッシュは出ません。
ローン完済時点における累計キャッシュはもちろんマイナス。
とはいえ、最後は土地が残るので購入価額の半値くらいで売却できればまあ5~10Mくらいのプラスにはなるかなというレベルです。
会計士なのでこういうのはちょっと得意だったりします。

分かっていて、なんで投資したの?
・・・とりあえずやってみないと分からないので、不動産投資の勉強という意味が強いです。
実際に不動産投資をしながら勉強して、2棟目、3棟目と繋いでいきたいです^^;;;;

3.入居状況
入居募集を開始したのが約1ヶ月前の9月20日頃。
SUMOやHOMS等、有名どころの仲介ショップで幅広く募集がかかっています。
現時点で既に6部屋中2部屋が決まっています。
竣工前に決まるというのは結構優秀なのでは・・・?
(TATERUは初めての入居者が決まるまでは空室保証してくれるので、なんとなく損をした気分になります笑)
10月中旬頃に1部屋、下旬頃に1部屋が決まりました。
やっぱり最上階が人気ですね、3階は早くも埋まりました。
残りも早く決まってくれると今後も安心なのですが。
長期シミュレーションからもわかるのですが、やはりいかに空室を出さないかが最も重要ですね。
空室が出なければ(退去者が出なければ)、家賃下落も防げるし、原状回復費や広告費の発生も抑えられるのですから。
なので、入居者の満足度をいかに確保できるかが勝負ですね。
オーナーとして何かできることはないのかな・・・考えます。

2018年10月27日土曜日

クラウドクレジットは誠実な対応をすべき

1.事業規模拡大中のクラウドクレジット
去年の年末あたりだったでしょうか。
TV番組「ガイアの夜明け」で紹介されてから、会員数、運用額ともに急拡大したクラウドクレジット。
大手企業・ベンチャーキャピタルの資本も順調に獲得し、かなりの規模になったと感じます。
それに伴い、最近ではさらにローンファンドの種類も増加し、投資家の選択肢は広がっているのかなとも感じます。
現状、これだけの外部資本が入り、規模も拡大中のクラウドクレジットですから、ソーシャルレンディングで最も考慮すべき事業者リスクについては低いといえるでしょう。


2.また遅延!
今月、自分が投資中の以下の案件について、契約期間延長のお知らせが届きました。
・欧州3か国消費者ローン・ファンド・欧州3か国個人向けローンファンド全号(リスク低減型)
・欧州3か国消費者ローン・ファンド・欧州3か国個人向けローンファンド全号(両方追求型・バランス型)
・カメルーン中小企業支援プロジェクト13号
・【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクト14号

カメルーンについては2度目の延長です。
これ以外にもカメルーン案件はいくつか投資していますが、1つも償還された案件はないです(笑)

改めて思うのは個人向けローンファンドは国内外問わず上手くいかないケースが非常に多いということ。
今は募集していませんが、SBISL、maneo、AQUSH・・・多くの遅延、貸倒実績があります。
もう個人向けはやめませんか(提案)。


3.クラウドクレジットの誠実性に問題あり
遅延は仕方ないにしても、その後の対応が非常にまずいと思います。
回収の進捗状況や今後の見通しについて、適時適切な報告があって然るべきと考えますが、そうした報告は一切ありません。
回収が実現した際、もしくは再延長の際に簡単な報告があるのみで、まったく回収がない場合は本当に半年以上まったく何も報告がありません。
SBISLやmaneoを見ても、遅延案件にかかる回収状況はタイムリーに報告があります。
クラウドクレジットはこの点で、誠実性が欠如していると言わざるをえません。


4.お金をしっかり増やしたいなら担保のある手堅い国内案件に投資すべき
あえてクラウドクレジットで運用するメリットはないと考えます。
新興国案件がほとんどだから案件リスクが非常に高いし(カントリーリスク、為替リスク、おまけに担保なし)、金利も今はかなりショボイです。
新興国通貨で運用するファンドは一見すると名目金利が高いのですが、高利回り通貨は長期的に価値が下落するというのが常識です。
金利で儲かる分、為替で損をするようになっているのです。
だいぶ前にも書きましたが、外国通貨で運用するファンドに投資する場合、当該ファンドの金利から当該通貨発行国の国債利回りを差し引いて、リスクプレミアムがどの程度乗っているのかを考えるべきです。
すると、実はクラウドクレジットのファンドは国内案件と比較してリスクプレミアムがかなり薄いことが分かります。
まあ運試しで小額を投資するのは面白いかもしれませんが・・・

2018年9月8日土曜日

TATERUついに着工

①物件の状況
今何かと話題のTATERUですが、ついに着工しました。
そしてついに今月から入居者募集が始まります。
既存オーナーたちのブログなんかを読むと、新築だからといっても、そう簡単に埋まりそうにはありません。
以前にこちらの記事でも書きましたが、シミュレーションの結果ですと、今回の投資は賢い判断ではなかったかもしれません。
しかし、もう後戻りはできませんので、最大限に収益を上げられるように努力するのみです。
物件の完成は11月27日を予定しています。

②今回の不祥事を受けて、営業担当者とその上司に会ってきた
営業担当者から今回の件について説明に伺いたいとの申し出がありましたので、お会いしてきました。
説明というよりは謝罪がほとんどでしたが・・・

・今回の件、TATERUの経営に響くのでは?
→TATERUはキャッシュが潤沢にあるので、そう簡単には倒産しない。今後も物件管理をまかせてもらって大丈夫。

・今回のような書類の改竄は組織ぐるみで行われていたのか?
→担当者レベルでは説明できない。

・書類改竄をしなければならないほど、営業へ強いプレッシャーがかけられていたのか?
つまり、採算性の悪い案件でも構わずドンドン売ってこないといけないような状況なのか?
→TATERUは在庫を持たないビジネスモデルなので、ノルマはあっても達成へのプレッシャーはそれほど強くはない。

・評価額の3倍で土地を購入させられたという記事も見たが?
→その評価額はおそらく固定資産税評価額。
都市部にいくほど固定資産税評価額と実勢価格の乖離が大きくなる傾向がある。
市場価額の3倍であれば問題だが、固定資産税評価額3倍であれば、ありえない話ではない。

・契約前の話では、TATERUが土地に利益を上乗せするようなことはないという話だったが実際はどうなのか?
→利益は乗せないが、仲介にかかった人件費等は実費で乗せている。
我々が法外な利益を乗せて、市場価額と著しい乖離が生じているようなことがあれば、そもそも銀行の審査ではねられる。

さてさて、完成前からすでに不安要素が多く悩ましいですが、順次状況をアップしていきたいと思います。おわり

2018年6月10日日曜日

5月末時点での投資状況

①ポートフォリオ
2018年5月31日時点におけるソーシャルレンディングのポートフォリオは以下のとおりです。

 
 
(単位:円)
SBISL・・・4,981,767
maneo・・・3,153,633
LC lending・・・2,474,000
クラウドクレジット・・・854,985
トラストレンディング・・・400,000
ガイアファンディング・・・691,278
ポケットバンク・・・633,549
クラウドバンク・・・863,630
スマートレンド・・・507,829
合計・・・14,560,671
 
みんクレショックやラキバンクショックが起こる前から、ソーシャルレンディングでは事業者リスクの見極めが最も重要であると考えておりましたので、ずっとSBI、maneoが中心です。
今後もその方針は変えるつもりはありません。
とはいえ、ソーシャルレンディングはそう簡単に破綻するようなビジネスモデルではないと考えています。
財務状況も重要であることは間違いありませんが、経営陣の誠実性をより重視しています。
 
 
②分配金
5月の分配金は税引後で46,857円となりました。
クラウドクレジット以外は特に滞りなく分配金が支払われています。
クラウドクレジットは、カメルーン案件と個人向けローンファンド複数件について貸倒を懸念しています。
以前も書きましたが、クラウドクレジットは海外への分散投資という意味では投資する価値があるかもしれませんが、リスクプレミアムは実はものすごく低い点に注意が必要です。
くれぐれも表面利回りに騙されないようにしましょう。

2018年5月20日日曜日

クラウドクレジットで投資することのメリット

ガイアの夜明けで紹介された影響で、急激に資金調達力を増したクラウドクレジット。
僕は現時点で85万円程入れていますが、償還されたものから順次引き出しています。
だってクラウドクレジットで投資するメリットなんてほとんどないんですもん。

メリット
・海外への分散投資ができる

デメリット
・リスクが高い
・金利がショボイ
・ほとんどのファンドは元利満期一括返済
・投資期間が長いものが多い

思いつく限りではメリットはひとつしか思い浮かびませんでした。
社会貢献?そんなものはソーシャルレンディングに求めてないのでどうでも良いです。
致命的なのはリスクとリターンが見合っていない点に尽きます。

まず、為替ヘッジのついているファンドについては5%弱まで利回りが下がっています。
これなら不動産担保のついている国内案件の方が絶対に良いです。
なぜ同じ利回りでわざわざ担保もなくてカントリーリスクも高い海外案件に投資しなければならないのでしょうか。

為替ヘッジのついていないファンドについては一見するとそれなりに利回りが高いように見えますが。
でも実質利回りはどうなんでしょう?
例えば、最も投資意義が分からない「ペルーマイクロファイナンス支援ファンド」ですが・・・
USD建て19か月で期待利回り2.5%です。
一方でアメリカ国債の利回りは2年物で2.5%弱で、ほぼ同じです。
つまりこのファンドのリスクプレミアムは限りなくゼロに近い。

同じように、USD建て24か月のニカラグア金融事業者ファンドも、表面利回りは5.1%ですが、上記のとおりリスクフリーレートである2.5%を差し引くとリスクプレミアムはたったの2.6%・・・
中米の治安もよろしくない新興国に投資するには全然足りないと感じます

さらに利回りが高くて人気のロシアルーブル建て13か月のマイクロローン事業者ファンドも、表面利回こそ8.8%ありますが、ロシア国債1年物の利回りは約6.5%なので、リスクプレミアムはわずか2.3%。
高金利通貨で表面利回りを高く見せているに過ぎません。
長期的に見て、高金利通貨の価値は下落するという常識がありますので、まったく美味しい案件ではないですね。
ちょっと前みたいに14%以上の表面利回があるのであれば話は別ですが、ここまで利回が下がっている以上、投資する価値があるかは甚だ疑問です。

2018年5月19日土曜日

司法書士報酬について思うこと

期末監査繁忙期真っただ中の4月29日、いよいよ土地の引渡しが完了しました。
僕は抵当権設定登記ごとき自分でできる自信があるのですが、オリックス銀行がどうしても提携先の司法書士にといって聞かないので、諦めてその司法書士にお願いすることになったのですが。

請求書を見てびっくりしました。
その司法書士事務所は杉並区で、対象となる土地は八王子です。
それなのに、日当10,000円、旅費・宿泊費15,000円!?
まったくふざけていますね。
これが社会通念上相当な金額なんでしょうか??
納得がいかないので先方に問い合わせの電話をしましたが、まったくお話になりませんでした。

僕:日当はともかく旅費はこんなにかかるわけがないですよね。実体のない旅費は払えませんので明細を出してもらえますか

先方:いや、旅費には移動にかかる手間賃等も入っていますので

僕:いやいや、それは日当って別掲して請求しているじゃないですか?

先方:それは、また別(立ち合いだったかなんだったか忘れましたが)のものですので・・・分けて書いてますけどトータルで見て下さい

僕:手間賃って高すぎじゃないですか?そんなの普通報酬に含めるんじゃないの?

先方:TATERUさんの場合、事務所で金額が決まっていますので・・・

僕:はい

このように、明細を出せといっているのに明細も出さず、実態のない経費を請求されました。
僕が働いている監査法人の旅費交通費は実費請求ですし、ましてや日当なんかクライアントに請求しないですけどね。
規模の小さい個人事務所だと、こういうところでセコセコ金をとらないとやっていけないということなのでしょうかね。

2018年4月15日日曜日

融資の審査が下りました

・金利は2.3%
今回はオリックス銀行から総額7,660万円の融資(フルローン)を受けます。
返済期間は35年で金利は団信付きで2.3%です。
団信付きなので私に万が一のことがあって天に召された場合は残債が免除になります。
残された人(妻)はタダで収益物件をゲットできるので安心ですね。
生命保険代わりと言われる所以です。
フルローンを引いているだけあって、年間家賃収入460万円に対して返済額は318万円となかなか重いです。

・別途諸経費ローンが必要
登記費用、司法書士報酬、建物完成までの利息等の諸経費が400万円程発生します。
これについては、自己資金で賄うか、若しくはどこかの金融機関からフリーローンを引っ張ってくるしかありません。
インベスターズクラウドさん(現TATERUさん)の提携金融機関だと、金利は3.8%らしいですが・・・
ちょっと高いような気もします。
ただ、この金利だとしてもソーシャルレンディングでそれ以上の利率で回せるので借りる予定です。
どこまでもリスクを取ります。辞めるまでは。

・本当にキャッシュフローが出るのか?
諸経費ローンの返済も考慮すると、年間キャッシュフローの分岐点は430万円程度です。
はっきり言って相当厳しい展開が予想されます。
空室率が5%を超えるとたちまちキャッシュフローがマイナスになります。
当たり前ですが、いかに空室を出さず、いかに家賃下落をさせずに運用していくかが最も重要になってきます。
10年程度の築浅であれば売りやすいようなので、10年を売却を考えるひとつの目安に頑張っていきますか・・・

2018年4月4日水曜日

不動産投資のシミュレーションをしてみた

今さらではありますが、不動産投資の精緻なシミュレーションをしてみました。
会計士という職業柄でしょうか、ちょっと負荷を強めにかけた保守的なシミュレーションになっているかもしれません。
結論を言いますと、ローン完済までの35年間の累計キャッシュフローはマイナス1,500万円です(笑)
やはり建物の減価償却が終わった後の税金負担が非常に重い。
キャッシュがマイナスに転落する前に売り抜けたいですね。
甘いかな???




まだ始まってもいないのに、儲かる気がしないです。
果たしてどうなることやら。

2018年4月1日日曜日

融資の申し込みが完了しました

先週の金曜日、金融機関の担当者との面談があました。
その際、以下の書類の提出を求められました。




・住民票×2
・住民税課税証明書(直近3年分)
・印鑑証明×2




各々300円の発行手数料がかかりましたので、合計2,400円の出費です。
地味にこういう出費が痛いです。




なお、今後のスケジュールは以下のとおりです。
4月27日 土地引渡し
7月 着工
12月 完成、入居開始


今のところは特にやることがないので、書籍で不動産投資の勉強をするくらいですね。
本業もそろそろ期末監査が始まり忙しい時期になりますし。。。
この不動産投資がうまくいくのか、正直自信がないのですが、出口を見据えて計画を練っていきます。

2018年3月25日日曜日

アパート一棟買いします

前回の「不動産投資」の続きになります。
いろいろと考えましたが、人柱になるつもりでインベスターズクラウドのアパートを一棟買うことにしました。
場所は八王子です。JR八王子駅から徒歩10分程度。
もし、今後インベスターズクラウドでの不動産投資を考えている方がいれば、先行事例として参考にして頂ければと思います。

1.投資を決意した理由
①レバレッジを効かせることができる
今回は初期投資ほぼなしで、総額8,000万円の不動産を取得することができます。
当然リスクは高まりますが、博打を打たずして天下をとった者がおるか?

②そのうち仕事を辞めるかもしれない
銀行からフルローンを引っ張るには、なんといっても属性が大事です。
今の僕は、(一応)大手監査法人に所属している公認会計士です。
退職してしまったら、おそらく融資は引っ張れないでしょう^^;
ならば辞める前にやっておかなくてはいけません。
それと、不動産投資は初年度に大きく赤字が出ます
給与水準の高い今のうちにやってしまって、損益通算した方がお得だと判断しました。

2.懸念事項
①空室リスク
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、八王子市の人口は2020年をピークに減少に転じます
現在の八王子は、多数の大学キャンパスが点在し、学生が多い街となっています。
ただし、今後大学の都心回帰の動きが強まると厳しい状況が想定されます。

②家賃下落リスク
築10年程度までは良いかもしれませんが、15年先、20年先の家賃がどの程度下落するのかが未知数です。
担当に提示して頂いた長期シミュレーションでは、3年おきに1,000円の家賃下落を織り込んでいましたが、個人的にはもっと下がると思っています。

③キャッシュフロー
担当に提示して頂いた長期シミュレーションでは、一貫してキャッシュフローがプラスとなっていました。
当該シミュレーションは以下の前提に基づいています。
・3年ごとに1,000円の家賃下落
・2年目以降は入居率を95%とする
・3年目以降は原状回復費100,000円が発生する
・所得税は考慮しない

僕は、以下のとおり、さらに保守的かつ考慮されていないキャッシュアウトを織り込みました。
・家賃は最終的に3/4まで下落する。
・初期費用、各種保険、税金、大規模修繕を織り込む
・消費税は10%

すると、減価償却が終わる15年目以降はキャッシュフローがマイナスになります。
35年間(ローン完済)の累計キャッシュフローはマイナス500万円くらい。
土地を売れば最終的には益が出るのでしょうが、思い描いている投資ではありません。
毎年キャッシュを産んでくれる資産が欲しいのです。
入居率100%を維持することと、家賃下落を防いで、なんとかキャッシュをプラスに持っていきたいですね。
まあ、10年経過したころに残債が返せるくらいの金額で売却ができるのであれば、それもアリですかね!

というわけで、がんばります

2018年3月11日日曜日

不動産投資

これまでソーシャルレンディング(以下、SL)で不労所得を得ようと頑張ってきました。
SLは非常に安定したインカムゲインをもたらしてくれる一方で、レバレッジを効かせることができない点がネックです。
レバレッジを最大限に活用できる投資は何か・・・?
やはり、王道の不動産投資しかない。そう思いました。

インベスターズクラウドという会社があります。
2006年創業の若い会社ですが、既に東証一部に上場するレベルまで成長しています。
監査法人はあずさです(どうでもいいけど)。
そんなわけで、営業担当の方にいろいろ話を聞いて、ついに投資を決めました。

まず、営業担当との面談がありました。
属性判断のために、職業、年収、保有資産、これまでの経歴など、簡単なヒアリングがありました。
私は属性にはまったく問題ないそうです。

次に、さっそく複数件の提案がありました。
紹介を受けた案件は
①東京都練馬区(新江古田周辺):総事業費 1億超え
②横浜市金沢区(金沢八景駅周辺):総事業費 約9千万
③東京都八王子市(八王子駅周辺):総事業費 約8.5千万
すべて一棟3階建ての合計6室です。

結論、③にしました。
①は金額的に躊躇してしまいました。
②は許容範囲ではありますが、坪単価が公示地価と比べて不自然に高い。
その理由を営業担当に質問したところ、希少価値があるので?高いんだそうです。
納得できる理由ではなかったのですが、やめときました。
その点、八王子は公示地価と大きな乖離はなさそうでしたので、こちらにしました。
路線価から時価を割り出したところ、やはり大きな乖離がありそうなので担当者に問い合わせ中です。

提案書の中には、長期キャッシュフローのシミュレーションがあります。
営業担当によって、このシミュレーションの前提が変わるそうなので注意が必要です。
過度に楽観的なシミュレーションを作る担当も入れば、保守的なそれを作る担当もいるということです。
私に提示されたものは、以下の前提です。
・3年目以降は原状回復費が毎年10万円
・3年目以降は家賃を1,000円下げる
(ほんとに1,000円で済むのかは懐疑的ですが・・・)
・2年目以降の入居率は95%とする

ここでも注意が必要な点がありました(質問して判明したものです)。
・累積キャッシュフローの累計には、自己資金による初期投資(頭金)が含まれていないこと
特にこれは注意が必要であると思います。
一見すると、最終的にはこんなにキャッシュがたまるんだ!と思ってしまいますが、初期投資を考えると実態はプラマイゼロで、「35年かけて土地をタダで手に入れる」プランだというものがあります。
上記案件のうち②がそれでした。
・キャッシュアウトに、共用部分の電気代や、清掃の際の水道料が含まれていないこと
・キャッシュフローに税金が考慮されていないこと

そして最後に、投資を決意する旨を伝えると、もろもろ契約書類を書かされました。
今は銀行への融資打診に入る段階です。
源泉徴収票を過去3期分用意しなければ・・・

2018年1月27日土曜日

コミックでわかる アドラー心理学 向後千春

概要
酒井麻衣は、アパレル店の店長を「ある理由」から退職。
失意の中、郊外のシェアハウス「日暮壮」にやってきた。
彼女はそこで出会ったイケメン同居人、藤崎悠のゴリ押しで塾の先生を手伝うことになり…。
アドラー心理学がこれ1冊で全部わかる。
そして、じんわり泣けるシェアハウスの物語。

感想
アドラー心理学は「嫌われる勇気」、「幸せになる勇気」で、ある程度の知識は得ていたけれど、漫画+解説の6章構成で読みやすそうだったので読んでみた。
アドラー心理学がコンパクトにまとまめられている。
おおよそ以下のようなことが書かれている。
・人生の悩みはすべて対人関係である
・劣等感を克服するための優越性の追求
・人はまず目的をもち、そのために行動をする
・人にはそれぞれライフスタイルがあり、それはいつでも選びなおすことができる
・4つのライフスタイルのタイプ
(A安楽でいたい、B好かれたい、Cリーダーでいたい、D優秀でいたい)
⇒ちなみに僕はBタイプと判定されました。これ、結構当たってる!
確かに、何をするにも「相手にどう思われるか」を意識してしまい、自分の意志をあまり主張できないところがあるので。
・トラウマなど存在しない。「できない」は「やりたくない」だけ
・3つの人生のタスク
(仕事のタスク、交友のタスク、愛のタスク)
・幸せになるためには共同体感覚(周りはみんな自分の仲間であり、その中で自分の能力を発揮して、貢献することができるという感覚)をもつこと
「できない」は「やりたくないだけ」というのは思い当たることが多いだけに心に響くなぁ。。。
こんなのムリ!と思ってしまう状況では、今一度「本当にできないのか?」と自問するようにしよう。
本当はできることが多いはずだ!
セミリタイアするまでがんばろう。

2018年1月21日日曜日

「超少子化 異次元の処方箋」 NHKスペシャル「私たちのこれから」取材班

・概要
日本では、出生率「1.5」を下回る「超少子化」と呼ばれる状態が20年以上も続く。
問題は、人口減少そのものではない。
高齢者が多く、働く世代が極端に少ない人口のアンバランスだ。
背景にはいったい何があるのか。
これまでの経緯と、深刻な少子化から脱却した成功例を紐解きながら、具体的かつ新鮮な打開策を立案する。

・構成
本書は以下の章立てとなっています。

はじめに-深刻さをじっかんできないことが、一番の問題
第1章 日本がじんわり滅びている
第2章 なぜ少子化に陥ってしまったのか
第3章 少子化を打開したフランス
第4章 日本でもできる!岡山県奈義町
第5章 <財源>と<合意形成>をどうつくるか
第6章 日本社会を「子育てシフト」に
おわりに

・感想
少子高齢化が問題化して久しい。
少子化を打開するためには、①財源の確保、②男性の育児参加が必要だと。
前者の問題は、子供はその両親だけでなく社会全体で育てていくものである、という合意形成が必要となるが、これをどうするのかが問題。
少子化を解決しなければ、いずれ日本が滅びてしまう、ということを啓蒙していくのだろうが・・・
ところが、私も含めて「自分が死んだ後の日本なんぞ関係ない。どうでも良い」と考えてしまう人も多いんじゃないかと思う。
こうした考えの人々をどう説得するのか?合意形成は容易ではなさそうだ・・・。
後者の問題も、なかなか解決が難しいところ。
そもそも男性の育児参加が少子化対策の有効打となるのか、という点については、夫が育児ないし家事に割く時間が多い夫婦ほど第2子を作る傾向にあるという調査結果が出ているらしい。
長時間労働が蔓延っている今の日本社会では、なかなか育児なんかに時間を割いていられないというのが実情だろう。
昨今叫ばれている働き方改革で何とかしてもらいたいが。
ちなみに、日本の男性の育休取得率はわずか2%程度らしい。
この点、スウェーデンの取得率はなんと9割。
育休を取得することができる期間も日本よりも圧倒的に長く、日数も480日も与えられるのだから驚き。
極めつけは所得補償80%!これは取得しなければ損だ。取得しなくちゃ!と考えるでしょう。
このくらい本気でやらないと、少子化は解決しないのでは。
いつまでもダラダラやっててもしょうがない。

2018年1月14日日曜日

「十三番目の人格-ISOLA-」 貴志祐介

・あらすじ
加茂由香里は、人の強い感情を読み取ることができるエンパスだった。
その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。
由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目の当たりにする。
このあどけない少女が多重人格障害でああることに胸を痛めつつ、次第に打ち解けていくつかの人格と言葉を交わす由香里。
だがやがて、十三番目の人格ISOLAの出現に、彼女は身も凍る思いがした。
ISOLAの正体とは・・・

・感想
400ページほどあるものの、話の展開が気になって、あっという間に読んでしまった。
幽体離脱というちょっとオカルトチックな要素が、話の展開上で重要な位置を占めており、人によっては好みが分かれるかもしれない。
僕は昔から幽霊やら呪いやらといったものが好きなので特に抵抗はなかったが・・・。
人格がISOLAを含めて13もあり、それぞれの人格に名前、性格、年齢、IQ等の設定まであり、ちょっと混乱してしまった。
ほんの1回や2回しか登場しない人格もあり、そもそもそんなにたくさんの人格が必要なのかと疑問に思った。
面白かったけれど、ハッピーエンドで終わらないあたり、後味が悪かった。