2018年1月27日土曜日

コミックでわかる アドラー心理学 向後千春

概要
酒井麻衣は、アパレル店の店長を「ある理由」から退職。
失意の中、郊外のシェアハウス「日暮壮」にやってきた。
彼女はそこで出会ったイケメン同居人、藤崎悠のゴリ押しで塾の先生を手伝うことになり…。
アドラー心理学がこれ1冊で全部わかる。
そして、じんわり泣けるシェアハウスの物語。

感想
アドラー心理学は「嫌われる勇気」、「幸せになる勇気」で、ある程度の知識は得ていたけれど、漫画+解説の6章構成で読みやすそうだったので読んでみた。
アドラー心理学がコンパクトにまとまめられている。
おおよそ以下のようなことが書かれている。
・人生の悩みはすべて対人関係である
・劣等感を克服するための優越性の追求
・人はまず目的をもち、そのために行動をする
・人にはそれぞれライフスタイルがあり、それはいつでも選びなおすことができる
・4つのライフスタイルのタイプ
(A安楽でいたい、B好かれたい、Cリーダーでいたい、D優秀でいたい)
⇒ちなみに僕はBタイプと判定されました。これ、結構当たってる!
確かに、何をするにも「相手にどう思われるか」を意識してしまい、自分の意志をあまり主張できないところがあるので。
・トラウマなど存在しない。「できない」は「やりたくない」だけ
・3つの人生のタスク
(仕事のタスク、交友のタスク、愛のタスク)
・幸せになるためには共同体感覚(周りはみんな自分の仲間であり、その中で自分の能力を発揮して、貢献することができるという感覚)をもつこと
「できない」は「やりたくないだけ」というのは思い当たることが多いだけに心に響くなぁ。。。
こんなのムリ!と思ってしまう状況では、今一度「本当にできないのか?」と自問するようにしよう。
本当はできることが多いはずだ!
セミリタイアするまでがんばろう。

2018年1月21日日曜日

「超少子化 異次元の処方箋」 NHKスペシャル「私たちのこれから」取材班

・概要
日本では、出生率「1.5」を下回る「超少子化」と呼ばれる状態が20年以上も続く。
問題は、人口減少そのものではない。
高齢者が多く、働く世代が極端に少ない人口のアンバランスだ。
背景にはいったい何があるのか。
これまでの経緯と、深刻な少子化から脱却した成功例を紐解きながら、具体的かつ新鮮な打開策を立案する。

・構成
本書は以下の章立てとなっています。

はじめに-深刻さをじっかんできないことが、一番の問題
第1章 日本がじんわり滅びている
第2章 なぜ少子化に陥ってしまったのか
第3章 少子化を打開したフランス
第4章 日本でもできる!岡山県奈義町
第5章 <財源>と<合意形成>をどうつくるか
第6章 日本社会を「子育てシフト」に
おわりに

・感想
少子高齢化が問題化して久しい。
少子化を打開するためには、①財源の確保、②男性の育児参加が必要だと。
前者の問題は、子供はその両親だけでなく社会全体で育てていくものである、という合意形成が必要となるが、これをどうするのかが問題。
少子化を解決しなければ、いずれ日本が滅びてしまう、ということを啓蒙していくのだろうが・・・
ところが、私も含めて「自分が死んだ後の日本なんぞ関係ない。どうでも良い」と考えてしまう人も多いんじゃないかと思う。
こうした考えの人々をどう説得するのか?合意形成は容易ではなさそうだ・・・。
後者の問題も、なかなか解決が難しいところ。
そもそも男性の育児参加が少子化対策の有効打となるのか、という点については、夫が育児ないし家事に割く時間が多い夫婦ほど第2子を作る傾向にあるという調査結果が出ているらしい。
長時間労働が蔓延っている今の日本社会では、なかなか育児なんかに時間を割いていられないというのが実情だろう。
昨今叫ばれている働き方改革で何とかしてもらいたいが。
ちなみに、日本の男性の育休取得率はわずか2%程度らしい。
この点、スウェーデンの取得率はなんと9割。
育休を取得することができる期間も日本よりも圧倒的に長く、日数も480日も与えられるのだから驚き。
極めつけは所得補償80%!これは取得しなければ損だ。取得しなくちゃ!と考えるでしょう。
このくらい本気でやらないと、少子化は解決しないのでは。
いつまでもダラダラやっててもしょうがない。

2018年1月14日日曜日

「十三番目の人格-ISOLA-」 貴志祐介

・あらすじ
加茂由香里は、人の強い感情を読み取ることができるエンパスだった。
その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。
由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目の当たりにする。
このあどけない少女が多重人格障害でああることに胸を痛めつつ、次第に打ち解けていくつかの人格と言葉を交わす由香里。
だがやがて、十三番目の人格ISOLAの出現に、彼女は身も凍る思いがした。
ISOLAの正体とは・・・

・感想
400ページほどあるものの、話の展開が気になって、あっという間に読んでしまった。
幽体離脱というちょっとオカルトチックな要素が、話の展開上で重要な位置を占めており、人によっては好みが分かれるかもしれない。
僕は昔から幽霊やら呪いやらといったものが好きなので特に抵抗はなかったが・・・。
人格がISOLAを含めて13もあり、それぞれの人格に名前、性格、年齢、IQ等の設定まであり、ちょっと混乱してしまった。
ほんの1回や2回しか登場しない人格もあり、そもそもそんなにたくさんの人格が必要なのかと疑問に思った。
面白かったけれど、ハッピーエンドで終わらないあたり、後味が悪かった。