2019年10月6日日曜日

maneoの担保評価はありえない




先日maneoから1年ほど前から延滞したファンドについて回収の連絡が来ました。
もう目も当てられないような悲惨な結果です。

maneoから送られてきた原文は最後に転載しています。
第3者への開示は控えるように書かれていますが、そんなこと知るかといいたいです。
集めた資金46,260千円に対して、元本毀損21,285千円と、なんと46%もの毀損です。
また、担保評価額57,000千円に対して、実際の売却額は24,975千円と、評価額の43%での売却となっています。

なぜこんなことになったのか?
maneoの説明ですと、金融機関の融資厳格化とか、大手メーカーの施工不良を発端にする不動産市況の悪化とか、完全に外部環境のせいにしていますが、杜撰な担保評価が行われていたことは結果を見れば明らかです。
適正な担保評価がなされていたのであれば、評価額の半値以下での売却などありえない話です。
私は金融機関の会計監査に何度かアサインされていますが、通常の金融機関ではそもそも元本を割ること自体がそこまで多くないです。
評価額の半値以下での売却なんてことが起きれば大騒ぎになること間違いなしです。
ところが、そんな通常の金融機関であればまずありえないような担保評価がmaneoでは日常的に行われていたわけです。
maneoは本件について、どのような担保評価が行われていたのか、説明する責任があるのではないでしょうか。
というか、収益還元法による評価(これは評価が甘めに出やすいため少し注意が必要です)が行われていたようですが、根拠資料を提示してもらうだけでもいいです。
もしあればですが。
本当は評価なんかしてなくて、適当に融資額を一定の掛け目で割りもどした額を評価額とでもしてたんじゃないかと勘ぐりたくなりますね。

余談ですが、監査法人が金融機関の会計監査を行なう場合、担保評価における内部統制の有効性を評価するため、当該金融機関の担保評価のプロセスを検証したり、貸引の妥当性を検証するための実証手続を実施します。
その手続の中で、担保評価のバックテストというものを実施します。
つまり、監査対象年度において実際に担保の売却があった場合、過年度における担保評価額と比較して、担保評価の信頼性を評価するわけです。
普通の金融機関がこんな担保評価をしていたら、必ず監査法人に指摘を受けるでしょうね。

maneoにはかつて新日本が監査に入っていたようですが、担保評価は何も見ていなかったのでしょう。
なぜなら、maneoのようなビジネスモデルの場合は、担保評価の誤りが財務諸表に与える影響がないからです。
どういうことかというと、普通の金融機関であれば、破綻懸念先(回収に重大な懸念がある先)に対する貸出金は、当該貸出金の額から担保評価額を除いた金額で評価(つまり貸倒引当金を計上)するからです。
一方、maneoの場合は匿名組合貸付金が毀損しようとも、その損失は当該組合の構成員である投資家が負うことになるため、特に貸倒引当金を計上する必要がないからです。

社是は誠実らしいので、しっかりと金融機関としての説明責任を果たしてほしいものです。

(maneoからの原文)

投資家の皆様へ

いつもmaneoをご利用いただきまして誠にありがとうございます。

2018年11月1日にご報告いたしました延滞発生の融資案件につきまして、回収金の分配を行いますのでご報告いたします。

11月1日付【延滞発生に関するご報告】は、以下をご確認ください。
https://www.maneo.jp/apl/information/news?id=7549 


1.募集内容について

■ローンID
10764、10818、11424
■ファンドID
4738、4760、4920
■ファンド名
【不動産担保付き】1,100億円突破記念ローンファンド【第4弾】3号、4号、22号(案件1:C社、案件2:AN社)
■案件名
【事業者C社向け】愛知県・茨城県内エリア 不動産担保付きローンへの投資(第3次、第4次、第22次募集)
■本ファンドの担保物件
愛知県名古屋市内の収益アパート1棟【物件:Q】
■募集金額
46,260,131円
■URL
https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=4738 他 


2.回収までの経緯について

本件担保不動産につきましては、事業者C社主導のもと東日本レインズへの掲載及び複数の不動産業者への購入打診や媒介依頼を行い、
2018年6月以降、継続して販売活動を行ってまいりました。
当初、同一融資案件の担保不動産で上記物件Qを含む収益アパート全20棟につき、一括での購入希望者に対する交渉に注力しておりましたが、
メガバンク・地方銀行・信用組合・信用金庫にてアパートローンに対する融資基準の厳格化や新規融資の見合わせ等が相次いだため、
収益アパートの販売市況の落ち込みによる購入断念との回答がございました。
また、20棟を一括で売却するには、購入希望者との間で不利な条件交渉をせざるを得ない環境となってまいりました。
上記不動産市況を踏まえ、一括売却方針は残しつつ、個別で引き合いのある物件については個別での売却を行うことが回収の早期化につながり、
合理的であるとの判断に至りました。
本件対象となる物件Qにおいては、13件(法人4件、個人投資家9件)の購入意向がございました。
それぞれの検討者と交渉を進めてまいりましたが、特に個人投資家においては、上記のとおり銀行のアパートローンを利用し難くなったため
検討者数が減少し、法人においても、資金余力のある検討者に絞られてまいりました。
また、2019年2月以降は賃貸アパートの施工不良問題に関する再度の報道の影響を受け、さらに厳しい状況で交渉を行うこととなりました。
上記状況下、東京都港区の不動産業者と売買契約を締結し、2019年8月23日に決済に至りましたが、
結果としては、これ以上の高額購入者を探すべく販売活動を継続することが得策とは言えない中で、
募集金額を大幅に下回る金額での売却とならざるを得なくなりました。


3.回収金の分配について

本件担保不動産の売却による回収金額は、24,975,130円でございます。
回収金の分配の内訳につきましては、以下のURLをご参照くださいますようお願いいたします。
https://cdn.maneo.jp/material/fund/mail/20191003/20191003uchiwakeq5447.pdf 

回収金の分配は、10月9日に実施する予定です。
該当投資家の皆様におかれましては、「my maneo」にて分配の詳細をご確認いただけます。

本件融資後の収益アパートに対する金融機関の審査基準の厳格化に伴う不動産市況の落ち込みとアパートブランド会社の施工不良問題も影響し、
売却金額が募集時点の評価額を大幅に割り込む結果となりました。
投資家の皆様におかれましては、元本全額の回収に至らず、誠に申し訳ございません。


4.今後のご報告について

10月9日の分配までにご報告が必要な事象が発生しましたら、速やかにご報告いたします。
なお、本日時点では追加の回収について確定しているものはございません。
今後追加回収の見込みが立ちましたら、改めてご報告いたしますが、本メールをもちまして、上記ファンドに関するご報告は一旦終了とさせていただきます。

投資家の皆様には、ご心配とご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。
今後とも、ソーシャルレンディングサービス「maneo」を、何卒宜しくお願い申し上げます。

2019年10月3日
匿名組合契約における営業者 maneo株式会社(営業者)
匿名組合出資の募集取り扱い maneoマーケット株式会社(第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2011号)


回収金の分配に関する報告 (別紙)
■対象ローン
・【不動産担保付き】1,100 億円突破記念ローンファンド【第 4 弾】3 号 (https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=4738) ・【不動産担保付き】1,100 億円突破記念ローンファンド【第 4 弾】4 号 (https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=4760) ・【不動産担保付き】1,100 億円突破記念ローンファンド【第 4 弾】22 号 (https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=4920)
期限の利益喪失日:2018 年 10 月 29 日 期失時残存元本:46,260,131 円
■回収金額 24,975,130 円
■元本棄損額 21,285,001 円
■回収金の分配の内訳
(maneo株式会社ローンファンド匿名組合契約約款第 10 条(担保権の実行)ご参照)
(注)以下の金額は 3 ローンの総額で算出しております。
分配は、3 ローンの該当投資家の出資比率に応じてそれぞれ行われます。
    (i)
 未分配の利益
    155,476 円
   該当投資家の未分配となっている 2018 年 10 月分の利 息です。出資比率に応じて按分し、分配いたします。
    (ii)
   匿名組合出資金残金 (3 ローン合計)
     24,819,654 円
     該当投資家の未償還となっている貸出元本です。
出資比率に応じて按分し、分配いたします。
    (iii)
  当該貸出債権に係る
営業者報酬
  0円
 maneo 株式会社の 2018 年 10 月分の営業者報酬はござ いません。
  計     24,975,130 円
    本内容は該当投資家の方のみにお送りしており、この情報の第三者への開示、コピー、配布、利用 その他一切の行為はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
以上




2019年10月2日水曜日

TATERUアパート 9月の収支報告

1.満室が継続中です






 例のごとく満室が継続しており、退去の予告は入っておりません。


2.ほぼ予実どおりの収支です




 毎度同じ報告になりますが、ほぼ計画値どおりの収支となりました。
水道代が2ヶ月に1回の請求であり、今月は9月は支払月にあたることから、その他が若干下振れとなりました。


3.共用部の水道は使用している
 前回書いた水道代の件ですが、TATERUに問い合わせたところ、やはり清掃時に水道を使用しているそうです(当たり前ですよね・・・)。東京都の場合、基本料金の範囲内で10㎥まで利用できるようになっているようです。月1回の清掃だとその範囲を超えることがないため、基本料金のみの請求となっていると。
1ヶ月に1日だけの利用なので基本料金が非常に重く感じますね・・・
 来月はいよいよ不動産取得税の支払いがやってきます。稼げば所得税・住民税、使えば消費税、それが不動産であればさらに不動産取得税、本当に税金ばかりで困ります。